関西在住の雑貨店主が「心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつく」ります。

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2011年4月9・10日、鳥取の米子市境港にある「水木しげるロード」を訪れました。
昨年のNHKの連ドラ「ゲゲゲの女房」で注目され、近年非常に賑わっている観光地でもあります。
自分的には今更という感じで興味もあまりなかったのですが、訪れた友人たちが皆絶賛する上、家族のリクエストもあり高速料金の土日祝日1000円上限を利用して行ってきました。

中国自動車道を西へ、落合JCTにて米子自動車道に入り、右手に大山を見ながら米子ICで降りて境港へ4時間弱で到着。

JR境港駅と妖怪ブロンズ像

JR境港駅前にて子ども達にスタンプラリー用の冊子「妖怪ガイドブック」(これがよく出来ている)を買い、「水木しげるロード」となっている境港商店街周辺を散策している内にテンションが上がってきました。
これは楽しい!商店街全体が老若男女まで楽しめる一種のテーマパークになっているんですね。

水木しげるロードの街並み
 
地方の観光名所として、これほど成功している要因は何なのでしょうか。

1、魅力的で多彩なキャラクター
 水木先生によって生み出されたキャラクター造形は一体一体が魅力的。まさに妖怪が住み着いていそうな時代を感じさせる漁村の街並み。「ゲゲゲの鬼太郎」は、ポケモンのような多数の登場キャラクターで展開されるビジネス戦略の元祖。
後に名探偵コナンで有名な青山剛昌先生のふるさとにある「コナンロード」にも寄りましたが、ほぼコナン君の銅像しかなく少しさびしい雰囲気でした。

2、妖怪のオブジェがよくできている
 ブロンズ像が盗難に遭うほど本当によく出来ていて、あちこちで出会う度に夢中で写真を撮りました。これは一見当たり前のように思えてとても重要なファクター。

3、グッズが豊富で店が個性的
 キャラクターをかたどったボトルの焼酎や日本酒など大人の収集心をくすぐられる。売り切れているキャラクターのボトルを揃える為にわざわざ再訪する知り合いもいました。他にも目玉おやじをかたどった串団子は両眼分マストバイでしょう!

め、目玉おやじが

どのお店もつい覗いてしまう駄菓子屋さんのイメージに近く、大人には懐かしく子供には新鮮。鬼太郎の下駄屋さんやガマ口財布の店、妖怪の消印が付いて届く「妖怪ポスト」などバラエティーに富んでいてどれも一見の価値あり。

妖怪がま口財布

4、程よい広さの距離内にスポットが凝縮されている
 全長約800メートルの商店街に見所が収まっており、バスツアーで来た人でも限られた散策時間内に一通り見れる。寂れた店や朽ち果てた家がそのまま「水木しげるロード」の風景の一部になっていました。

5、口コミ効果
 当初は関西から4時間もかけて行く価値があるのか半信半疑だった私も、他人に薦めたくなるほどすっかり「水木しげるロード」の虜に。

鬼太郎まぐろラーメン


その後、日本海沿いに山陰道を東へ、「コナンロード」のある北栄町で少し散策し、三朝温泉や東郷池を通過、鳥取市内のホテルで一泊。

二日目は鳥取砂丘に立ち寄りました。
修学旅行でこの砂丘を見て感動し、いつか自分の子どもたちにも見せてやりたいと思っていた風景。
雄大に広がる砂丘に大の字に寝そべると、日常の悩みやトラブルもバカバカしくなってきます。

鳥取砂丘

しかし砂上では当然のことながらベビーカーは使えず、1歳半の砂まみれの末娘を抱えて海岸までの急な道のりを往復。誤算でした(笑)
昼食は口コミで評判のお店、鯛喜(たいき)さんのボリュームたっぷり海鮮丼をいただきました。

鯛喜さんの海鮮丼


帰りは鳥取バイパスを経て鳥取自動車道に乗り、途中で宮本武蔵の里に寄り、佐用JCTで中国自動車道へ乗り継ぎ帰路へ。

残念ながら6月19日で高速道の週末1000円制度は終わってしまいますが、まだ行かれたことのない方には「水木しげるロード」と「鳥取砂丘」、ともに是非おすすめしたいスポットです。
[水木しげるロードと鳥取砂丘]の続きを読む


キャロル・オフ著「チョコレートの真実」を読み終えました。

チョコレートといえば、子供たちの大好きなお菓子の代表格です。甘くてちょっとほろ苦いチョコの風味は、ケーキやアイスクリームなど様々な種類のスイーツの材料としても欠かせません。
そのチョコレートの原料となるカカオ豆ですが、最大の生産地は日本人になじみ深いガーナではなく同じ西アフリカのコートジボワールで、欧米では古くから苦味や酸味の強いコートジボワールのカカオ豆が多く消費されています。一方、日本で使われるカカオ豆の8割は、日本人好みの風味や政情が安定していることなどの理由でガーナから輸入されています。

少しタイムリーな記事ですが、2011年1月26日の日経新聞では、コートジボワールの政情不安により同国のカカオ豆の輸出が全面的に禁止され、2月14日のバレンタインデーを前にカカオ豆価格が急騰していると報じています。
前年11月の大統領選挙に勝利したワタラ元首相が、選挙結果を無効として政権に居座るバグボ氏の有力な資金源であるカカオ豆の輸出を禁じることで、氏の勢力を弱体化させるのが狙いです。
このように、コートジボワールでは長年にわたり一部の権力者によってカカオ豆をめぐる利権が独占され、不当な低賃金や長時間労働によって劣悪な環境で働かされている農園労働者から搾取されてきました。

本書では、カカオ豆をめぐる暗黒の歴史を検証し、かつて植民地時代に綿や砂糖の栽培地で行われていた奴隷制農業さながらの実態が、コートジボワールにおけるカカオ豆の生産現場で今でも行われているという衝撃の事実が、女性ジャーナリストである著者の危険を顧みぬ徹底した取材によって赤裸々に描かれています。

1960年にフランスから独立したコートジボワールは、カカオ豆の「安定化基金」を設立して安定供給を図り、国の保護の元でカカオ産業を育成して「アフリカの奇跡」といわれる程に発展しました。ところが1980年代半ばにカカオ豆の国際価格が供給過多により暴落、欧米諸国との交渉に敗れ、90年代には貿易赤字に陥った政府がIMFの民主化圧力を受け、アメリカのチョコレート資本に屈して「安定化基金」を解体し、その結果カーギルやADM、ネスレなど欧米の穀物メジャーとの市場競争にさらされ価格決定権を握られました。更にその後の内戦ではカカオの収益が戦争の財源とされ、政府高官やゲリラ勢力から搾取される構図が生まれました。

アムネスティ・インターナショナルによると、チョコレート価格のうちカカオ豆農園主に渡るのは0.5%、200円のチョコレートではわずか1円です。そこから農園労働者に支払われる賃金はさらに安い金額になります。この市場価格の安さが児童労働、子どもの人身売買につながっていると指摘します。
カカオ農園で働かされる児童たちは、チョコレートを食べたことも見たこともありません。
彼らは隣国のマリなどから両親に売られ、そのほとんどは学校へ行くこともなく、奴隷のように扱われカカオ農業に従事しています。
世界中でチョコレートが愛される陰には、人身売買、児童労働、政府の腐敗、巨大企業の陰謀、貧困、民族間対立など、陰惨とした現実と不条理な問題が存在しています。

特に私が感じたのは、安価で良質な商品を求める消費者の姿勢が、他方で劣悪な生産環境を促進させているという現実です。
モノが安く手に入るということはどういうことか。その生産現場ではどのようなことが行われているのか。
100円ショップに並ぶ"Made in China"の商品は、都心部を中心に爆発的な経済発展を遂げる中国経済の陰で、地方の山村部の農民や工場労働者による過酷な労働環境のなかで生産されています。
日本を含めた先進諸国や海外企業は、価格面での国際競争力を重視するあまりそれらの事実を黙認し、社会や経済基盤の整っていない後進国において、圧倒的な政治力や資本力を背景に、児童労働など劣悪な環境が放置された現地企業に対して有利な契約を交わし取引をしているのです。
なぜなら、利益を最大化するためにはより安いコストで買い付けることが、資本主義における経済活動の原点ですから。

光があるから闇があり、富があるから貧困もまた確実に存在します。
我々消費者は、経済活動の裏側にある世界の現実にもっと目を向けなければなりません。
しかし先進国で生活する多くの人々にとっては、一次産業や生産現場に接する機会が少なく、人間の営みといったものに対する感覚が麻痺しているのかもしれません。そう考えると、我々の生活のもっと身近なところにまず解決すべき問題があるような気がします。

例えば、スーパーの店頭に並ぶきれいにパックされた精肉の裏には、生きた牛や豚や鶏が食糧として市場に供給される過程があり、誰かがそのような工程を担っています。そこでは一頭の牛が飼育され、出荷され、肉工場でばらされているのです。

※以下の部分には残酷な描写が含まれるので、苦手な人は読み飛ばしてください。

私はかつて所属していたボーイスカウトの活動で、鶏の飼育から屠殺、下処理、調理までを経験しました。
長いキャンプ生活の間、班ごとに割り当てられ自分たちで育てていた鶏を最終日に調理して食べたのですが、まず鶏の首をナタではね(鶏は首を切られてもしばらくは血を噴き出しながら脊髄反射で走り回ります)、足を縛って逆さ吊りにして体内の血を抜き、羽を一本一本むしり、肛門から指を突っ込んで便を掻き出した後、調理するわけです。
(余談ですが、ある日のメニューはドッグフードでダシをとり、ヘビ、トンボ、カエル、イナゴ等を煮込んだスープでした)

※ここまで

私の場合はこうして「食物連鎖の頂点にいる人間がしているのはこういうことなのだ、きれいごとでないのだ」という現実を中学時代に目の当たりにしましたが、学校でも社会教育の一環として上記のような体験をする機会や一次生産・加工現場の見学などをもっと取り入れる必要があるのではないでしょうか。

また、欧米諸国はかつて植民地統治によりアジアやアフリカの人々から搾取を行いましたが、現代においても資本主義という経済原理のもとで同様のことが続けられています。
「西側諸国はもうこれ以上アフリカから搾取するのを中止すべきだ」と訴える、ある黒人リーダーの言葉が胸に突き刺さります。

現在、途上国の自立や環境保全のため公正な価格で取引をする「フェアトレード(公正貿易)」という試みがあります。
しかし、アメリカのチョコレート市場でもフェアトレードのものは市場占有率が1%にも満たないそうです。またフェアトレードのチョコレートに使われるカカオ豆は西アフリカ産以外のもので、直接これらの地域のカカオ豆産業従事者への手助けにはなっていません。

著者のキャロル・オフは、タブーに踏み込んだ命がけの取材を通して至った想いとして、著書の最後にこう述べています。
「これから先の未来においても、ずっと昔から続いてきたこの不公正な現実がなくなることはないだろう」

確かに人間が欲望のままに消費を続けている限り、これらの不条理な貧困問題は世界からなくならないのかも知れません。
日本でも、所得の低い非正規雇用者などは生活のために安い海外商品を選ばざるをえません。
それでも我々は、まずは一人ひとりが行き過ぎた消費行動を考え直し、適正な価格のものを買う取り組みを始めていくべきではないでしょうか。


【参考サイト】
アムネスティ・インターナショナル日本
特定非営利活動法人ACE「チョコレートと児童労働」
フェアトレード情報室「子供の奴隷が作るチョコレート~カカオ生産現場の児童労働」
コートジボワール大使日誌「安定化基金の破綻」
Democracy Now! Japan 
[先進国の大罪]の続きを読む
…なんかPHP文庫のタイトルみたいですみません。

関西ローカルですが、朝日放送『LIFE~夢のカタチ~(さすらいのうどん職人 竹原友徳さん 10月30日放送)』を見ました。
http://asahi.co.jp/life/backnum/101030.html

うどん好きが高じて香川県の有名うどん店で修業をつまれた後、2年間かけて日本全国を武者修行で回り、故郷の京都府・綾部で手打ちうどん店を開店された若きうどん職人さんのお話でした。

番組では、笑顔が素敵な店主の素朴な人柄に魅かれて集まってくるお客さんや支援者の方との温かいエピソードが紹介されていました。

建築経験一切なしのご主人が、店までも手作りにこだわり、ほぼ一から自分の手で新店舗を作り上げていく訳ですが、その過程で奥さまや友人や土壁塗りのボランティアの方などの助けを得て、しだいに「手作りの店舗」というご主人の夢が共有され、関わった人々みんなの夢になっていきます。

人生における「人とのかかわり」とは、大切でかけがえのない、その人間のキャリアなんですよね。

そして迎えたオープンの日、完成したばかりの店で、武者修行時代に知り合われた美人の奥さま(益子焼の陶芸家さんらしい)と、たくさんの方々に祝福されながら“結婚うどん披露宴”を開かれました。決して好立地とはいえない場所にありながら、新しいお店は大繁盛の様子でした。

ご主人がそれまでの人生で関わってきた様々な人や、店舗作りを見守ってこられた地域の方、手作りの店のうわさに興味を持たれた方、オープンを兼ねた“結婚うどん披露宴”のインパクト、ネット上での話題、地元のクチコミ、評判を聞きつけたテレビ局の取材、番組を見て店主のこだわりに好感を持った視聴者、またその感想をSNSやブログで伝える者。

ご主人のモノ作りに対する姿勢に起因する、すべての要素が評判を呼び集客へとつながる訳です。

それはビジネススクールでMBAを取得したからって出来ない、別次元の成功軸なんでしょう。

人材派遣業のパソナでは、内定をもらえなかった大卒未就労者を対象に、社会人に求められるコミュニケーション能力を徹底的に身につける研修プログラムを取り入れ、話題になっていました。

まず採用担当者や上司に好感をもたれるコミュニケーション・テクニックを身につけるというのは順序が違うというか、失敗しないことを前提に最適解の決められた研修を受けた“優秀な”人間って生き残れるんですかね。もちろん一定の常識やビジネスマナーは必要ですが、何がやりたいのかわからない、自分の強みがわからないことこそが根っこの問題なのでは。
「100社受けましたがすべて落ちました。しかしそれで自分に足りないものが何か気づきました!」っていう学生のほうがまだ将来の“のびしろ”を感じます。

デンマークの思想家・キルケゴールは「自らの挫折の中に信仰を持つ者は、自らの勝利を見出す」と述べています。

何かを成し得るためには、やれるかどうかを理論や法則や過去の事例から考えるだけではなく、例え困難な状況下でもやりたいことをやり抜く熱意と実直さと継続力もまた大切なアビリティですね。

『竹松うどん店』、ぜひ一度訪れてみたいです。

京都府綾部市志賀郷町儀市前13(舞鶴若狭自動車道「綾部IC」より車で10分)
11時から15時まで(売り切れ次第終了)
定休日は7と8がつく日(7,8,17,18,27,28日)
※変更される場合があります
[成功を呼び寄せる人]の続きを読む
生命保険の更新時期が近づいたので、これを機会に十年来入っていた保障を見直しました。

今回加入したのは、ライフネット生命保険の「かぞくへの保険(定期死亡保険)」「働く人への保険(就業不能保険)」「じぶんへの保険(終身医療保険)」です。シンプルな保障内容と安価な保険料は、保険と貯蓄をうまく切り離すには最適です。

ライフネット生命創業者の出口治明社長は国内最大手日本生命の出身です。
従来の国内生保が抱えているレガシーな、負の資産(逆ざやや超長期契約、営業職員の人件費、高コスト販売網など)を引きずる構造的な問題点を解決できる、掛け捨て型定期保険のネット販売を中心とした、わかりやすい保険商品を扱う画期的な会社を目指されています。
私も以前生命保険業界にいたので、この業界で変革をもたらすのがどんなに大変か想像できますし(現に保険料の「原価」の開示は業界内で物議を醸しました)、「保険の原点に戻り、安価でわかりやすく便利な商品・サービスを供給する」という出口氏の理念には非常に共感できます。

多くの保険契約者を悩ませてきた加入・支払手続き時の煩雑さ、保険商品の複雑さ、特約の支払事由のわかりにくさを、特約を撤廃したシンプルな保障内容を平易な言葉で説明することで解消し、またインターネット上で契約内容を一元管理することによって、契約者の利便と営業所維持費や人件費などの固定費のコスト削減を図っておられます。

その他契約者のメリットでいうと、驚いたのが契約印(ハンコ)が不要という点です。私がこの業界にいた頃には到底考えられませんでした。(印鑑不要で契約申込みができる生保は、2010年11月現在、SBIアクサ生命とライフネット生命の2社だけですが、日本生命も2012年1月より同システムを導入するようです。)

もちろん、今まで長年加入していた某国内生保の定期保険付介護保険の保障内容も優れており満足していたのですが、営業職員の方からの転換(※)の勧めが少し煩わしく感じるときがありました。その点、ライフネット生命の保険には終身保険にあたるような貯蓄部分がなく、またネット販売なので、従来のような営業職員からの新商品の案内や転換の勧誘からも解放されました。
(※ 転換とは、加入している保険の貯蓄部分を原資に充てて新しい保険に乗り換えること。一概に契約者にとって不利とは言えないが予定利率が下がる等のデメリットもある)

元生保業界に携わった身として、面識のない営業職員から個人的な家族構成や健康状態により勝手に算出された保険提案プランを、書留でもない郵送で送られてくる状況は、個人情報取り扱いの観点からも見直されるべきだと思います。個人情報満載の分厚い保険設計書をひとつひとつシュレッダーで裁断しながらそう感じました。

国内生保の万全で充実した死亡・介護・医療保障はもちろん魅力です。
しかし、政治的にも経済的にも先行きの不透明な現代の日本では、本当に必要な保障だけを保険で確保し、あとは将来必要な出費に備えて出来るかぎり貯蓄へ回すことが重要です。働き盛りの家庭では特に、死亡リスクに対する備えとして生命保険は必要ですが、それ以上に重要なのは「生存リスク」で、例えば子供の進学費や老後の生活保障に対しては継続的かつ計画的な貯蓄や投資しかありません。

今は各社の保険内容や経営状態など、個人が保険加入に必要な多くの知識や情報は、雑誌やネット上で入手し比較・検討することができます。ですから出来るだけ営業職員任せにせず、自分と家族にとって最適な保険を「自分で考え、自分で選ぶ」ことが大切です。

また上記でもいくつか述べましたが、国内生保のビジネスモデルは過渡期を迎えています。

2005年施行の個人情報保護法をはじめ、共働きによる在宅率の低下、少子高齢化による保険加入対象者の減少、官公庁・学校・企業のセキュリティの強化による職団確保の問題など、ライフスタイルや社会の変化により、従来型の営業職員の販売チャネルに頼る手法は今後も相当厳しくなっていくと思われます。

各地の職業安定所の周辺には今なお、資料を抱えた生保各社の女性営業職員の方々が職を探しに訪れる女性を職員として勧誘されていますが、そのような営業手法を続ける限り国内生保勢の苦戦は必至でしょう。

余談ですが、松下電器(現・パナソニック)は高度成長期時代、日本中のあちこちに系列の「街の電気屋さん」ネットワークを作り、国内最大の販売網で他社を圧倒し一時代を築きました。その後量販店の時代が訪れ製品の流通・販売ルートが変化した時に、超優良だったはずのそれらの資産が逆に「足かせ」となり、量販店による販売ではしばらく苦戦を強いられました。 

生命保険業界において、時代のニーズにそぐわなくなりつつある営業所・訪問販売チャネルを、従来のまま維持し続けることは難しくなってきています。現状では、店舗維持費と人件費の両方の経費が、そのまま付加保険料として加入者が支払うコストに跳ね返ってきている訳です。前述のライフネット生命と比べると国内大手各社の付加保険料は実に5倍にもなります(参照:Wikipedia ライフネット生命保険

生命保険は基本的に一生を通じて必要となるものです。
しかしその契約内容においては、過去10年間にベストだった保険商品が次の10年、20年でもそうだとは限りません。
健康状態によって新たな保険の加入は困難になりますので、健康な内に、思い立った時が保障を見直す吉日です。

「必要な保障を、必要な時期に、必要な人間に、必要な分だけ」

まだまだ生命保険については書き足りないことがありますが、またの機会にします。


以下は個人的補足として、

将来的に海外移住も視野に入れているので、医療保険については、海外での入院では支払われないライフネット生命の「じぶんへの保険」から、支払事由になるアフラック(アメリカンファミリー生命)の「新EVER」への変更を新たに検討中です。掛け捨てタイプの医療保険は、本人が健康な限り必要に応じて見直せるため、年齢による保険料アップさえ納得できれば精神的にも楽です。
ただ社会保障として公的な医療制度が整備されていない国、例えばオバマ政権の医療制度改革前のアメリカの場合、盲腸の手術で1日入院して約194万円(ロサンゼルス)請求されたりします。そうなれば1入院1万円程度の日本の保障内容ではとても足りないので、海外で別途保険に入る必要がありますね。
[生命保険を自己責任で選ぶ時代]の続きを読む
2010年11月3日に京都大学で行われたシンポジウム「企業の農業参入の可能性」に参加しました。
http://www.ges.kyoto-u.ac.jp/cyp/modules/news/index.php?topic_id=519

普段京都で仕事をしていても東山方面には来ることがないので、市バスから見える風景が新鮮でした。


日本では農業はキツい割に収入が少ない仕事として永らく敬遠されてきました。
農業従事者の数は65歳以上が約6割と生産者の高齢化が進み、後継者不足が深刻な問題となっています。

しかし近年、農業が「やりがいのある仕事」として、若い世代を中心にその魅力が見直されつつあります。
土を耕し作物を育て、自然を相手に試行錯誤を繰り返し、近隣農家の方との温かみのある付き合いを通じて、「生きている」実感を取り戻せる。そういう部分に魅力を感じて、都会での生活にストレスを感じて育ってきた若者や、田舎での暮らしで充実した余生を送りたい定年後の夫婦などが農業を始めています。

また、ロハスやエコロジーといったキーワードをきっかけに、「自分で育てた新鮮な野菜を収穫して食べることができる」「子どもには安心・安全な野菜を食べさせたい」などの理由から、ベランダ菜園や貸農園関連のビジネスが好調です。これらは2008年のリーマン・ショックを引き金とした世界的な金融危機による不況下で、家庭の節約ニーズを取り込み、その市場価値を更に伸ばしています。

一方では、民間企業の農業参入によるブレイクスルーが期待されています。
従来日本の農業は政府によって保護されてきましたが、近年の農地法改正により緩和されつつあります。
民間企業ならではの知恵や経験、フレームワークなどが今後の日本の農業を再生させる重要なきっかけになるのではと思います。

講演では、大きなビジネスチャンスへと化ける可能性のある農業について、現在鋭意取り組んでおられる企業各社の代表の方が企業の農業参入の現状と課題、問題点などを解説しておられました。
 
理事長として農業支援NPOを運営する立場としては、特にマイファーム代表西辻氏の話がとても印象に残りました。

終始メモを取らせていただきましたが、イトーヨーカ堂久留原氏、スギヨ川上氏、類農園丸一氏、京大大学院教授陣の講演も情熱的で、いずれも真剣に農業に取り組まれ、農家と関わられる中での貴重な経験談や現実的な側面を伺うことができました。

閉会挨拶では、京都大学大学院地球環境学堂の柏久教授が、「企業参入が刺激となって、農家が起業家精神を持ち、企業感覚を身に付け成長していくことが日本の農業の発展に必要だ」と述べておられました。

その後の懇親会には都合により出席できませんでしたが、非常に得るモノの大きい、充実した一日でした。
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