関西在住の雑貨店主が「心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつく」ります。

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生命保険の更新時期が近づいたので、これを機会に十年来入っていた保障を見直しました。

今回加入したのは、ライフネット生命保険の「かぞくへの保険(定期死亡保険)」「働く人への保険(就業不能保険)」「じぶんへの保険(終身医療保険)」です。シンプルな保障内容と安価な保険料は、保険と貯蓄をうまく切り離すには最適です。

ライフネット生命創業者の出口治明社長は国内最大手日本生命の出身です。
従来の国内生保が抱えているレガシーな、負の資産(逆ざやや超長期契約、営業職員の人件費、高コスト販売網など)を引きずる構造的な問題点を解決できる、掛け捨て型定期保険のネット販売を中心とした、わかりやすい保険商品を扱う画期的な会社を目指されています。
私も以前生命保険業界にいたので、この業界で変革をもたらすのがどんなに大変か想像できますし(現に保険料の「原価」の開示は業界内で物議を醸しました)、「保険の原点に戻り、安価でわかりやすく便利な商品・サービスを供給する」という出口氏の理念には非常に共感できます。

多くの保険契約者を悩ませてきた加入・支払手続き時の煩雑さ、保険商品の複雑さ、特約の支払事由のわかりにくさを、特約を撤廃したシンプルな保障内容を平易な言葉で説明することで解消し、またインターネット上で契約内容を一元管理することによって、契約者の利便と営業所維持費や人件費などの固定費のコスト削減を図っておられます。

その他契約者のメリットでいうと、驚いたのが契約印(ハンコ)が不要という点です。私がこの業界にいた頃には到底考えられませんでした。(印鑑不要で契約申込みができる生保は、2010年11月現在、SBIアクサ生命とライフネット生命の2社だけですが、日本生命も2012年1月より同システムを導入するようです。)

もちろん、今まで長年加入していた某国内生保の定期保険付介護保険の保障内容も優れており満足していたのですが、営業職員の方からの転換(※)の勧めが少し煩わしく感じるときがありました。その点、ライフネット生命の保険には終身保険にあたるような貯蓄部分がなく、またネット販売なので、従来のような営業職員からの新商品の案内や転換の勧誘からも解放されました。
(※ 転換とは、加入している保険の貯蓄部分を原資に充てて新しい保険に乗り換えること。一概に契約者にとって不利とは言えないが予定利率が下がる等のデメリットもある)

元生保業界に携わった身として、面識のない営業職員から個人的な家族構成や健康状態により勝手に算出された保険提案プランを、書留でもない郵送で送られてくる状況は、個人情報取り扱いの観点からも見直されるべきだと思います。個人情報満載の分厚い保険設計書をひとつひとつシュレッダーで裁断しながらそう感じました。

国内生保の万全で充実した死亡・介護・医療保障はもちろん魅力です。
しかし、政治的にも経済的にも先行きの不透明な現代の日本では、本当に必要な保障だけを保険で確保し、あとは将来必要な出費に備えて出来るかぎり貯蓄へ回すことが重要です。働き盛りの家庭では特に、死亡リスクに対する備えとして生命保険は必要ですが、それ以上に重要なのは「生存リスク」で、例えば子供の進学費や老後の生活保障に対しては継続的かつ計画的な貯蓄や投資しかありません。

今は各社の保険内容や経営状態など、個人が保険加入に必要な多くの知識や情報は、雑誌やネット上で入手し比較・検討することができます。ですから出来るだけ営業職員任せにせず、自分と家族にとって最適な保険を「自分で考え、自分で選ぶ」ことが大切です。

また上記でもいくつか述べましたが、国内生保のビジネスモデルは過渡期を迎えています。

2005年施行の個人情報保護法をはじめ、共働きによる在宅率の低下、少子高齢化による保険加入対象者の減少、官公庁・学校・企業のセキュリティの強化による職団確保の問題など、ライフスタイルや社会の変化により、従来型の営業職員の販売チャネルに頼る手法は今後も相当厳しくなっていくと思われます。

各地の職業安定所の周辺には今なお、資料を抱えた生保各社の女性営業職員の方々が職を探しに訪れる女性を職員として勧誘されていますが、そのような営業手法を続ける限り国内生保勢の苦戦は必至でしょう。

余談ですが、松下電器(現・パナソニック)は高度成長期時代、日本中のあちこちに系列の「街の電気屋さん」ネットワークを作り、国内最大の販売網で他社を圧倒し一時代を築きました。その後量販店の時代が訪れ製品の流通・販売ルートが変化した時に、超優良だったはずのそれらの資産が逆に「足かせ」となり、量販店による販売ではしばらく苦戦を強いられました。 

生命保険業界において、時代のニーズにそぐわなくなりつつある営業所・訪問販売チャネルを、従来のまま維持し続けることは難しくなってきています。現状では、店舗維持費と人件費の両方の経費が、そのまま付加保険料として加入者が支払うコストに跳ね返ってきている訳です。前述のライフネット生命と比べると国内大手各社の付加保険料は実に5倍にもなります(参照:Wikipedia ライフネット生命保険

生命保険は基本的に一生を通じて必要となるものです。
しかしその契約内容においては、過去10年間にベストだった保険商品が次の10年、20年でもそうだとは限りません。
健康状態によって新たな保険の加入は困難になりますので、健康な内に、思い立った時が保障を見直す吉日です。

「必要な保障を、必要な時期に、必要な人間に、必要な分だけ」

まだまだ生命保険については書き足りないことがありますが、またの機会にします。


以下は個人的補足として、

将来的に海外移住も視野に入れているので、医療保険については、海外での入院では支払われないライフネット生命の「じぶんへの保険」から、支払事由になるアフラック(アメリカンファミリー生命)の「新EVER」への変更を新たに検討中です。掛け捨てタイプの医療保険は、本人が健康な限り必要に応じて見直せるため、年齢による保険料アップさえ納得できれば精神的にも楽です。
ただ社会保障として公的な医療制度が整備されていない国、例えばオバマ政権の医療制度改革前のアメリカの場合、盲腸の手術で1日入院して約194万円(ロサンゼルス)請求されたりします。そうなれば1入院1万円程度の日本の保障内容ではとても足りないので、海外で別途保険に入る必要がありますね。
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2010年11月3日に京都大学で行われたシンポジウム「企業の農業参入の可能性」に参加しました。
http://www.ges.kyoto-u.ac.jp/cyp/modules/news/index.php?topic_id=519

普段京都で仕事をしていても東山方面には来ることがないので、市バスから見える風景が新鮮でした。


日本では農業はキツい割に収入が少ない仕事として永らく敬遠されてきました。
農業従事者の数は65歳以上が約6割と生産者の高齢化が進み、後継者不足が深刻な問題となっています。

しかし近年、農業が「やりがいのある仕事」として、若い世代を中心にその魅力が見直されつつあります。
土を耕し作物を育て、自然を相手に試行錯誤を繰り返し、近隣農家の方との温かみのある付き合いを通じて、「生きている」実感を取り戻せる。そういう部分に魅力を感じて、都会での生活にストレスを感じて育ってきた若者や、田舎での暮らしで充実した余生を送りたい定年後の夫婦などが農業を始めています。

また、ロハスやエコロジーといったキーワードをきっかけに、「自分で育てた新鮮な野菜を収穫して食べることができる」「子どもには安心・安全な野菜を食べさせたい」などの理由から、ベランダ菜園や貸農園関連のビジネスが好調です。これらは2008年のリーマン・ショックを引き金とした世界的な金融危機による不況下で、家庭の節約ニーズを取り込み、その市場価値を更に伸ばしています。

一方では、民間企業の農業参入によるブレイクスルーが期待されています。
従来日本の農業は政府によって保護されてきましたが、近年の農地法改正により緩和されつつあります。
民間企業ならではの知恵や経験、フレームワークなどが今後の日本の農業を再生させる重要なきっかけになるのではと思います。

講演では、大きなビジネスチャンスへと化ける可能性のある農業について、現在鋭意取り組んでおられる企業各社の代表の方が企業の農業参入の現状と課題、問題点などを解説しておられました。
 
理事長として農業支援NPOを運営する立場としては、特にマイファーム代表西辻氏の話がとても印象に残りました。

終始メモを取らせていただきましたが、イトーヨーカ堂久留原氏、スギヨ川上氏、類農園丸一氏、京大大学院教授陣の講演も情熱的で、いずれも真剣に農業に取り組まれ、農家と関わられる中での貴重な経験談や現実的な側面を伺うことができました。

閉会挨拶では、京都大学大学院地球環境学堂の柏久教授が、「企業参入が刺激となって、農家が起業家精神を持ち、企業感覚を身に付け成長していくことが日本の農業の発展に必要だ」と述べておられました。

その後の懇親会には都合により出席できませんでしたが、非常に得るモノの大きい、充実した一日でした。
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